タスク管理と生産性向上について
はじめに
タスク管理のゴールは、タスク管理をしなくても済む毎日を作ること。タスク管理ツールを使いこなすことではない。
— しごたのん (@shigotanon) 2017年4月25日
自虐ネタではありません。
一応、本ブログのテーマもタスク管理をすることで、 タスク管理を通じて、いいとこ取りを目指してより良くなろうがテーマです。
真っ向から否定するようなツイートを支持しているのは何故なのでしょうか?
世の中のタスク管理ツールは、複雑すぎる
タスク管理ツールで便利でよくできたツールはたくさんあります。
しかし、私は多機能すぎることに違和感があります。
できることの多さ = 多機能性
なのですが、多機能であればあるほど学習コストと管理コストがかかるという事実を忘れてはいけません。
詳しくは後ほど言及しますが、例えそれが一時的なコストだとしても、生産性が低下する要因になります。
まだTodoリストで、買い物リストを作ったり今日することだけ管理しているくらいなら管理対象の扱う問題の単位が小さいので良いのですが、だんだん上達してくると様々なことに応用が利くようになることに気づきます。
そして、その効用からより長い時間を対象とし、より複雑な管理をしようとします。
ここまで進んでくるとある程度、機能は必要です。 コストをかけてツールを使うことで効率化が進み、余剰時間が得られるでしょう。
ただし、この得られる余剰時間は一時的なもので不思議と得られたはずの余剰時間はすぐ無くなります。
つまり、かえって やることが増えてしまっている のです。
そして、やることが増えるのは負荷が増えることに他ならず、いずれ苦しさを感じる原因になります。
タスク管理ツールに暗に求めていること
機能性の多さや利便性が、抱える問題を解決してくれそうな気がするからです。
タスク管理ツールではないにしろ、
ソフトウェアを開発し、世の中の困った人に使ってもらい、困りごとを解決することを生業にしている立場からすると、もちろんこの辺りはとてもよく考えます。 ツールを使うことで解決が容易になることもたくさんあるでしょう。
ただ、機能性の多さや利便性がそのままいかなる問題を解決してくれるわけではありません。
なんでもできることが、なんでも解決してくれそうな気にさせるのですが、それは錯覚です。
というより、本当にツールを使って問題を解決したいなら(楽にしたいなら)、 自身の解決したい問題を認識・定義するのは必須であり、問題の認識と定義ができない限り上手にツールを使いこなすこともできません。
冒頭のツイートにあるようにすべきなのはツールの使い方の上達をすることではありません。
問題を認識し自分の抱える問題に合わせて解決策を検討し実際に問題解決に向けて行動や考え方を変えていくことこそすべきことです。
もし、苦しい状態になっていると言うのならば、わかりやすい良くない状態のサインであるでしょう。
解決したい問題は何か?
さて、何でしょう?
これは、タスク管理の魅力を知ったのは何故ですか?という問いと同じです。
私は、タスク管理によって、生産性を向上したいからでした。
無闇にツールに手を出し始めると学習コストや管理コストがかかることで生産性が下がるのも事実です。
にも関わらず、ツールの使い方が上達することが問題解決につながると錯覚し、使い方に凝り始めてしまいます。
生産性への問題がある認識
生産性の向上のために、タスク管理をしていたはずなのに、することと負荷が増えて苦しくなってしまっているのは、生産性が向上しているとは到底言えません。 むしろ、悪化している。
これは構造的に問題があると考えます。
この構造的な問題は、生産性の認識にありました。
それは、
現状を最適化すること・効率化することを基本にしている ことが構造的な問題だからです。
いかに価値の総量を増やすかの観点こそが大事なことでした。
この認識が変わらない限り、タスク管理によって生産性は向上せず苦しい状態が続きます。
このことは、ちきりんさんの
自分の時間を取り戻そう―――ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方
- 作者: ちきりん
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2016/11/25
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (5件) を見る
で、とてもよく説明されています。
というより、生産性向上したいなら間違いなく読む必要がある一冊です。
本の詳細には触れませんが、目指すのは、生産性が上下するパターン例のAとBを増やしてCを減らすことです。
生産性が上下するパターン例のA
- インプットを変えずに、アウトプットを増やす
生産性が上下するパターン例のB
- インプットを減らして、アウトプットを維持する
生産性が上下するパターン例のC
- インプットを増やして、アウトプットを維持する (身近な悪い例)
おわりに
タスク管理は単にTodoリストを持つことだけではなく、仕組みであると私は思っています。 ある意味ではPDCAのサイクルを作り、PDCAサイクルを回すことです。
タスク管理と言う言葉を使っている人ならば、意識せずとも自然とそうなっているでしょう。
良くなりそうな仕組みなのにも関わらず苦しんだりうまくいかなかったり、手段であるツールに凝り出してしまったり…
自分の経験でもそうでしたが、そういうケースが目につくのです。
これについては一石投じたい。
今のタスク管理にプラスアルファでこれから考えるべきなのは、何を重要視し、何を増やし、何を減らすか。
冒頭のツイートの
タスク管理のゴールは、タスク管理をしなくても済む毎日を作ること。タスク管理ツールを使いこなすことではない。
— しごたのん (@shigotanon) 2017年4月25日
これは生産性向上ができている状態のことを指していて、タスク管理を済む毎日を作ることこそが、タスク管理のゴールだと言えるのは非常に納得できる一文だったのです。