見積もれない作業とどう向き合うか?
はじめに
タスク管理をし始めるとどうにもうまくいかないことがあります。 それは、多くのタスク管理ツールは実行する点としてのタスクしか扱えないことだったりしないのでしょうか?
タスクは、実行時間というただのタイミングだけではなく開始と終了が存在し幅があります。 しかもこの幅は、誤差が生じブレることが普通です。 誤差が増えれば増えるほど、タスク管理への信頼感が薄れ、手間の割には信頼できない仕組みが出来上がってしまい、タスク管理をする意味がないようにすら感じさせてしまうので、なかなかタチが悪いです。
目次
点としてのタスクと線としてのタスク
冒頭に話した通り、多くのタスク管理ツールは点として扱うことに特化しています。 タスクを消化することだけ意識していて、繰り返し実行することで継続的に改善しようという考え方の実現がしづらいのです。
ただ、タスクリストを持つことですべきことを忘れずに実行することはできますので、それはそれで便利なのは間違いありません。
どのくらいかかりそう?
私は、webエンジニアです。 仕事の場面でこの問いによく遭遇します。
実際にはこんな感じの話です。
「これをこんな感じに作って欲しい。どのくらい作るのにかかりそう?」
普通、中の構造などわからず、表に見えるから部分からでしか判断できないので、そのようなとても曖昧な問いになってしまうのはわかります。
とはいえ、作る側からすると、どのような構造になっていて、どのような入力を受け付け、どのような動作を期待するものなのかが最低限わからないとどの程度?すら答えられるわけがないのです。 ※過去の経験があって、わかっているなら話は別です
しかも、その場での返答を求められますから、無理に回答したとしても根拠なんてありません。
もしも、最低限3日はかかるだろうという判断を経て回答したとしましょう。
しかし、最低3日くらいかかりそうですなんて根拠もなく答えてしまうと、いつしか3日あれば完成するという解釈に変わり、3日以内に作らなくてはならなくなってしまうことも往々にあります。
こうなると、日々の作業は不安でしかありません。計画から遅れた場合が怖いからです。
それに私はですが、遅れるのは嫌ですし、追われるのも嫌です。言ったからには達成したいという考えが基本にあります。 できることなら短い時間で作って世に出したいです。
ですが、ぐっとここは我慢するところです。
ただ、聞く方も聞く方で、1日でできるのか、1週間かかるのか、1ヶ月かかるのか、それ以上なのかくらいはわからないと、すべきことの優先順位すらつけられないという事情があるのもわかります。
なので、この場合の答えは、 「わからない」が正解だと思っています。
わからないからやらない。期待に添えないから他を当たってくれという意味ではありません。 できることをやろうという建設的な提案です。
「わからないから調査をさせてくれ」または「もし、急ぐならいつまでに欲しいのか?」 「急ぐ部分だけ急ごしらえすることで、対処はできないか?」ともう少し現実的な範囲に狭めた上で取り組むというアプローチをするわけです。
見積もれない作業とどう向き合う?
この手の見積もれないタスクは 〜より大きい程度 で進めてしまうのも1つの手です。 このタスクは〜より長くかかるのか?と作業の単位時間を持っておき、判断材料にします。
1時間、2時間、1日、3日、1週間、2週間、今月、それ以上などが作業単位になります。
タスクというのは実行単位ですから、細かく分割する必要があります。 ただ、単にこれは難しい行為ですし、ここだけに力を入れていても作業は進みません。
ある程度考えても明らかにならないのであれば、いっそのこと諦めてしまって分かるところまで進めるを1つの作業単位にしてしまうのです。
すると、うまくいくこと・いかないことが次第に明らかになっていき、完了までの所要時間が推測できるようになってきます。 だからと言って最初から考えることを放棄するのは悪手です。
考えるも処理するもどっちもするからこそ徐々に上達し、上達を認識できるようになるからです。
楽観的見積もりと悲観的見積もり
大雑把にどの程度かかりそうか?が楽観的な見積もりです。 大概、あてにならないのですが最善の所要時間だとしましょう。
それに対し、最悪のケースを考えます。
もし〜でないなら、どうなるかという否定的な考え方が基本です。そして、これ以上遅くなると、ヤバいラインを設定しておくわけです。
こうすることで、ヤバいラインを超える前に手を打つことができます。
目指すのはヤバいラインを避け、できる限り理想に近づけること。そして、この範囲に収めることです。
先日の話と考え方は同じですね。
もし、予想通りにコトが進むならすごく喜びましょう。
大事なこと
タスク管理をする上で大事なことは、個々のタスクの精度だけではありません。まして、タスクの消化数だけでもありません。
重要だと判断したことを実行することと重要だと判断しなかったことを明らかにすること 自分の愚かな見積もりを認識すること、そして、自分の処理量を知ることです。
ここができるようになってくると、安心して日々のタスクと向き合えるようになり、逆にヤバそうな状態の匂いをより明確に感じ取れるようになってくるはずです。
今日はここまでにします。 明日からまた1週間が始まりますね。
それではまた。
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