【感想】「さみしさ」の研究を読んで思ったことを書き記そうと思う
感想を一言で言うと…
”寂しさの正体は、「老い」なのではないか” ということでした。
もともとはさみしさの研究と言うタイトルだったので、寂しさについての言及や研究。
日本以外の国での、社会的な課題への対策・アプローチなどデータなどを使って説明し、対策を考えようのような内容だと期待していましたが、全く違う内容でした。
全編を通して思ったこととしては、本当に生きにくい世界なったんだろうな。ということ。
「老い」がキーワードです。
どうしてこの本を読もうと思ったの?
とある、尊敬する知人のFacebookをみて知りました。
強烈なタイトル、何が書いてあるのだろうと思いました。
- 作者: ビートたけし
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2018/11/30
- メディア: 新書
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ここ最近、「孤独」というものについて考えることが増えました。
私が30歳を超えたことによる、年齢によるものかもしれませんけれど。更年期?
とにかく「孤独」や「居場所」について考えることが増えたのです。
ここ数年で一番の大きな変化かもしれません。
仕事にかける時間と居場所に思うこと
仕事にかける時間が増えれば増えるほど、会社以外の居場所がなくなっていく
会社で自己実現できている間はいいのですが、無理が続いて、心身疲弊し、今までと同じように会社に貢献できなくなると、
仕事にかける時間を増やしても、会社に居場所すらなくなる。
あれっ、どこにも居場所がない
こうなるわけですね。
今まで、こういった不幸に疑問に感じて来ました。
「ワーク・ライフ・コンフリクト」という言葉
最近、ワーク・ライフ・コンフリクトと言う言葉を知りました。
これは、まさに、この不幸を言い表す言葉で、私がタスク管理で解決したいと取り組んで来たのは、このテーマだったことに気づきました。
もしかすると、考える必要もなくなるかもしれませんけれどね。そのうち記事にするかもしれません。
本を読んで気になったいくつか
「調子乗る」と「悪態」
1人の距離がそう言っているところは、ゴルフ場になり全員がお話を聞いていると思ったほうがいい。で、キャディが家族に話す。その家族が職場や学校で話す。つまり、1人のキャディーに悪態をついた事はねずみ算式に噂になって、最終的には100人、1000人という単位で広まっていくんだよ。それがいつかヤラかしたときに一気に爆発する。そう考えると人気商売ってのは本当に怖い。「調子のる」ってのが命取りになる。(P.152 より)
不思議なことに、昨今のインフルエンサーの近未来を暗示しているように思えました。
芸能人・タレントも、ちょっとしたスキャンダルであっという間に人気が逆転することは、記憶に新しいです。
一昔前ならば、「もみ消す」ことができたのかもしれませんが、
今は些細な「ほころび」すら誰かに知られ、
Twitter、InstagramなどSNSにつぶやかれることで、削除不能な記録として残ってしまう。
記録として残し、発言した内容がその人を知る人にシェアし、さらにその内容を知った人がシェア、その内容を知った人がまた…と連鎖していく。
しかも、シェアし、広がる過程で、別の「ほころび」も気づく人がでてきてしまう。
これが、いわゆる炎上ですが、炎上を恐れるのは、コントロール不能で、場合によっては一発アウトだからですよね?
そもそも、炎上するだけの火種を持っていることが本来の問題。
考えるべき点はここ。
もちろん大小あるでしょうけど、炎上するのはすべからく明らかにまずい異常な話 ばかり。
キャディの話は、悪態をついていることがバレると怖いが前提になっていますよね。
バレると怖いようなことを日々重ねていると、それはそれは 炎上が怖い になるのでしょう。
炎上対策としての匿名アカウントは、いつまで機能するのだろう
炎上対策として匿名で別アカウントでやればいいじゃん。別アカウントでやり直し。というのは、いつまで機能するのでしょうか。
そういう時代昔にもあったよな、と。
だから、実名のFacebookは信用できるんだという文脈の話、ずいぶん昔に似たような話を聞いたことあるぞ、と。
実名も匿名も大差ないのにな、と「調子の乗ると悪態」の話から連想したのでした。
日本社会の「老い」と「さみしさ」
通常、「老い」は生きて来た軌跡で、年月を重ねると、もれなくたどり着く変化を意味しますが、
若い頃できたことが出来なくなることを指すしたりするようです。
「さみしさの研究」では、日本社会が「老い」たことで、出来なくなることをずっと説明していたように思えました。
印象的だったのが「あとがき」に近い後半のこんな一節。
俺らなんて70代になっても新しいことをやりたくて、割に止められてるなのにさ。もう今から、来年いろんな新企画を始めようと動いているからね。いつ死ぬかなんてわかりゃしないんで、トコトンやりたいことやってるんだっての! (P. 172 より)
全編を通して、
「孤独」とか「寂しさ」とかそういったものとは無縁だと印象を受ける武勇伝が書かれつつも、
なぜか、虚勢を張っているように見えるのは「老い」からくる「寂しさ」なのでしょうか?
まとめ
”寂しさの正体は、「老い」なのではないか” ということでした。
老いた社会、寂しい社会の中で、どう生きていくか
これからの人生の大きな問いになりそうです。
あなたは、どう思いますか?