ハイブリッドでいこう

いいとこ取りを目指して試行錯誤するブログ

かばんの中身の取捨選択とタスク管理のコツ

はじめに

荷物を持たないことは自由の象徴?

電車通勤を何年も続けているとはち切れんばかりの"何か"が詰まったかばんを持っている人に出会います。重そうに抱えている姿を見るとその都度、何が入ってるのだろうと興味を持ちます。

というのも実は、かばんの荷物に関しては私はこだわりと問題意識を持っていて もう何年も継続的に取り組んでいる重要なテーマの1つだからです。

単に物を持つということだけだと、ただ重いだけですから、せいぜい生じたとしても肩こり程度。

それだけならば、我慢しようでも構わなかったのですが、たくさんの物を持つこと自体の原因を考えた時にそもそも別の問題が原因であることに気づきました。

考えるきっかけになったのは、 荷物を持たないこと をステイタスのようにしていた人に過去出会ったことでしょうか。

手ぶらで通勤していたことをある種、誇らしくしていたのを覚えています。

当時は訳がわからなかったのですが、今なら当時とはもう少し違った解釈をすることでしょう。

それは、自由の象徴 だったのです。

かばんは不安でいっぱい

かばんの荷物に関して問題意識を持つ前の私は、たくさんのものを持ち歩きました。

さすがに重かったので、かばんを痛めることも多々あり丈夫なものに変える過程でかばんを大きくしました。しかし、不思議なことに、かばんのサイズを変えても常にいっぱいでした。

これは何故なのか考えました。

行き着いた答えは、必要か不要かは重要ではなく、必要かもしれない という不安が荷物を増やしていたのでした。現象を引き起こす原因への対処をしていないのですから、入れ物を変えたとしても荷物が減らず重量が増すのは当然だったのです。

しかも、荷物が増えているのですから悪化しているようにすら見えます。

お気付きの方は、いるかもしれません。 タスク管理の話なのに、かばんの話をしているのは何故なのかと。

実はこの話。 タスク管理にそのまま置き換えることができます。

タスク管理とかばんをアナロジーで考える

時間は有限資源です。 過ぎ去った時間は取り戻せません。

この認識は絶対条件。 タスク管理をする上で、重要なのはこの資源をいかに有用かつ効率的に使うのかです。

昨年、読んだアナロジー思考という本に、かばんをアナロジーして組織設計するという話がありました。

アナロジー思考についての詳細は書籍を参照していただきたいのですが、

アナロジー思考とは、アイデアを異なる世界から「借りてくる」ための手法 アナロジー思考 p.79

であるとされています。

1章に「かばん」と「予算管理」のアナロジーという題のケーススタディがあります。 一見すると別問題のようでも、「構造的類似」していることを体験させてくれる話です。 (※私は、読書をしていて1章からすでにゾクゾクとしました。楽しくて仕方がなかったです)

タスク管理も「構造的類似」をしているので、同様の思考を取り入れることができます。

どうするべきなのか

少し制約を設けさせてください。

ルールは3つです。

  1. かばんのサイズは変えられないこと
  2. 今使っているかばんより一回りサイズが小さいこと
  3. 今使っているかばんは使えないこと

サイズが変えられないのにもかかわらず、今よりもかばんが小さく収納できる量が少ない。 あれもこれも詰め込みたくなる訳ですが、どうしても溢れてしまいます。 どうしますか?

1. 仕切りを設けよう

はじめに、仕切りを設けることから始めます。 物を持ちたいのですが、入れる場所を決めるのがすぐできることですね。 自然にそうなっていることもあるでしょう。

タスク管理も同様に仕切りを設けます。つまり、時間帯です。

本家シゴタノでは、時間帯をコンテキストと呼んでいますね。

SP03:「時間帯」というコンテキストでタスクを管理する | シゴタノ!

この辺りは時間術を扱う話でよくされる話ですが、時間帯によって取り組むタスクを変えるだけで、随分と効率が変わります。

タスクには、頭をフル回転させて取り組まないと進まない難しいものと単純作業で頭をあまり回さなくても処理できるタスクがあり、タスクは優先度や重要度だけでなく、内容によっても処理に適切な時間帯は変わってきます。

タスクを適切な時間帯に配置するためには、まず時間帯を設けることが重要になります。 できれば、午前中や午後という大きな枠ではなく、もっと小さな単位が望ましいです。

小さな単位の枠を設けると、枠の中に配置するためには問題を小さくしなければ収まらないからです。

ルール1の「かばんのサイズは変えられないこと」は守りましょう。

2. 仕切りの大きさを決めよう

有名なポモドーロテクニックでは、一回の仕切りの大きさが25分です。 25分何が何でも集中して、5分休みます。 サイクルを繰り返すと仕事が進むというわけですね。

適切な仕切りの大きさは、自分のリズムと合わせるといいと思います。

私は、2時間に設定しています。 参考までに。

経験上の話をすると、少し物足りないくらいがちょうどいいです。 あと、ポモドーロテクニックは、ものすごく疲れますので多用はしないほうがいいです。

枠自体を今より、小さくしました。 ルール2「 今使っているかばんより一回りサイズが小さいこと」です。

3. 仕切りの順番を決めよう

ここまで出来たのであれば、どの枠にどんなタスクを割り当てるかという話になります。 注意したいのは、タスク個々の優先順位ではなく、仕切りに割り当てるべきタスクで考えることです。

枠自体の優先度を決めると、タスクは定まりやすいです。

私の場合は 仕切り(時間帯)は

  • 4:00-6:00
  • 6:00-8:00
  • 8:00-10:00
  • 10:00-12:00
  • 12:00-14:00
  • 14:00-16:00
  • 16:00-18:00
  • 18:00-20:00
  • 20:00-22:00
  • 23:00-4:00

なのですが、7:30-8:30, 10:30-11:30, 11:30-12:30が 頭がクリアで物事に取り組みやすい時間帯なので、重要なタスクはここに割り当てをしています。 ここの出来が一日の出来を左右します。

4. 溢れた物は外に出してしまおう

それでも溢れるタスクは、考え直すべきです。 重要なのにできなかったことなら、割り当てる時間帯を翌日以降変えてみます。

ルール3. 「今使っているかばんは使えないこと」です。 枠も小さくしたのですから、入りきらなくなるのは自然です。

判断せざるを得なくなりますから、入りきらなくなるという事実が大事です。

ただ、何日も残るようなら、必要でなかった可能性も高いです。 思い切って、やらないという判断をしましょう。 つまり、捨てましょう。 いきなり捨てるのが怖いのならば、ゴミ箱を用意すれば良いです。 メモ帳にでも書いて放置します。 必要ないものは、そのうち忘れます(笑)

おわりに

いかがでしたか?

アナロジー思考は、昨年読んだ本の中でTOP10には入る間違いなく出会ってよかった本でした。 もし関心を持たれた方は、ぜひ手に取っていただきたいです。

ただ、抽象概念や抽象思考を扱うので向き不向きはあるかもしれません…

「かばん」というのは実に身近で、良い思考の訓練になります。 思考を飛ばすと、タスク管理にとどまらずもっと遠くへ行けるでしょう。

物を持つことで不安への対処するは、本題ではなかったので詳しく書いてなかったので、補足すると、大概の人は、カバンの中に入れた物の収納回数や使用日時なんて記録してないはずですから、数字による裏付けもできず、なんとなく判断することに頼らざるを得ないのです。

このなんとなくが厄介で、なんとなく判断するときは、だいたい楽観的になります。

楽観的にかばんに詰め込むから重量が増えていくわけですね。 所持できる量は決まっているのに、無謀にも膨大なタスクを詰め込みできると信じ込むのと同じです。

これこそ不安の正体だと思っています。 制約を意図的に設け、判断をする一連の流れを仕組み化することで楽観的に判断できない状態を作り出すわけですね。

だからこそ、良い訓練になります。

それではまた。

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